防災備蓄品の入れ替え期限を迎えた防災ヘルメットやクリアファイルをアップサイクルして、名刺専用のコンパクトな点字器をつくりました。点字を書く大変さ、読む大変さを知ることは、目が不自由な方々の世界をうかがい知るための入り口にすぎませんが、それらを実感とともにお会いする方々にお伝えし、気づきの輪を広げたいと願って、名刺に自分の名前と連絡先だけでも点字が書けるようにと考えました。
名刺用凸面点字器
ten・ten
※名刺用凸面点字器「ten・ten」は、事業者のアップサイクルプログラムとして提供するもので、単品での販売は致しておりません。防災備蓄品の入れ替え期限を迎えた防災ヘルメットと使い古されたクリアファイルからten・tenはできています。タイミングを計り、一斉に回収することでロスを減らす工夫をしました。
集まった資源を加工しやすくするために粉砕します。これがヘルメットとクリアファイルの最後の姿です。
別の形に成型できるように、粉砕したヘルメットやクリアファイルを溶かして、練って、ペレットと呼ばれる粒状の樹脂に加工します。
ten・tenは名刺専用の点字器です。「凸面」とわざわざあるのは点筆で紙を押すと点が凸でできるため。ふつうは押すとへこむのに凸面点字器は押すと出てくる。おかげで、読むのと同じ向きで書くことができます。ひとマスが大きめなのも特徴です。
点字は「かな」で書くのが基本。マスと呼ばれるタテ3、ヨコ2の6つの点の組み合わせで文字や数などを表します。「サトウ」「タイヨウ」は、「サトー」「タイヨー」と書く、数字やアルファベットを書くときは符号を使うなど、点字ならではの書き方のルールがあります。
書き出しは2マス空け、意味の区切りごとに1マス空けます。電話番号など長くなる場合は2行で書きますが2行目は1マス目から書きます。スペースが限られるので社名は略称を書くなど、工夫をしてください。
名刺に点字で記載する内容の例です。名前、会社名、電話番号を記載しています。
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